【書評】それをお金で買いますか――市場主義の限界(マイケル・サンデル)

それをお金で買いますか――市場主義の限界

それをお金で買いますか――市場主義の限界
マイケル・サンデル Michael J. Sandel
早川書房
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■目次
序章 市場と道徳
第1章 行列に割り込む
第2章 インセンティブ
第3章 いかにして市場は道徳を締め出すか
第4章 生と死を扱う市場
第5章 命名権

■本の概要(出版社の紹介文より)
私たちは、あらゆるものがカネで取引される時代に生きている。民間会社が戦争を請け負い、臓器が売買され、公共施設の命名権がオークションにかけられる。市場の論理に照らせば、こうした取引になんら問題はない。売り手と買い手が合意のうえで、双方がメリットを得ているからだ。だが、やはり何かがおかしい。 貧しい人が搾取されるという「公正さ」の問題? それもある。しかし、もっと大事な議論が欠けているのではないだろうか? あるものが「商品」に変わるとき、何か大事なものが失われることがある。これまで議論されてこなかった、その「何か」こそ、実は私たちがよりよい社会を築くうえで欠かせないものなのでは――? 私たちの生活と密接にかかわる、「市場主義」をめぐる問題。この現代最重要テーマに、国民的ベストセラー『これからの「正義」の話をしよう』のサンデル教授が鋭く切りこむ、待望の最新刊。

■ポイント
#気になった部分の引用

1.市場vs行列

市場が支払の能力と意志に基づいて財を分配するように、行列は並んで待つ能力と意志に基づいて財を分配する。ある財にお金を支払おうとする意志のほうが、行列に並んで待とうとする意志よりも、ある人にとっての財の価値をより性格に測れると考える理由はないのである。(p.50)

2.バイアティカル

結果として人の死を賭けることになる投資はバイアティカルに限らない、という声もあるかもしれない。生命保険も人の死を商品化している。だが、そこには違いがある。生命保険の場合、私に保険を売る会社は私が負けるほうに賭けるのではなく、勝つほうに賭けるのだ。私が長生きすればするほど、会社が手にするお金は増える。バイアティカルの場合、金銭的利害関係は逆転する。会社からすれば、私の死は早ければ早いほどよいのだ。(p.196)

3.スカイボックス化

つまり、結局のところ市場の問題は、実はわれわれがいかにしてともに行きたいかという問題なのだ。われわれが望むのは、何でも売り物にされる社会だろうか。それとも、市場が称えずお金では買えない道徳的・市民的善というものがあるだろうか。(p.284)

■感想
現在では、さまざまなものがお金で買える時代になってきているし、裏取引も含めて、市場が存在している以上、そこでお金が動くこともある。そんな時代のなかで、道徳的に、それは売り物としてどうなのか?について、さまざまな事例を挙げながら、こういう売買があるけど、どう思うのか?と考えさせられるような内容。約50項目の事柄、ファストトラック、医者の予約の転売、罰金に対する保険、カーボンオフセット、血液、命など、扱われている分野も多岐にわたるので、自身が興味がある所から読んでいけるのもありがたい構成になっていました。

■余談
ニーズのある所に売買が存在するわけで、道徳とはいっても枠組みが難しいですね。。。

■関連情報
Michael Sandel | Harvard University – Department of Government
“Justice with Michael Sandel”


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