【書評】武器としての交渉思考(瀧本哲史)

武器としての交渉思考

武器としての交渉思考 (星海社新書)
瀧本 哲史
講談社
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■目次
ガイダンス なぜ、いま「交渉」について学ぶ必要があるのか?
1時間目 大切なのは「ロマン」と「ソロバン」
2時間目 自分の立場ではなく、相手の「利害」に焦点を当てる
3時間目 「バトナ」は最強の武器
4時間目 「アンカリング」と「譲歩」を使いこなせ
5時間目 「非合理的な人間」とどう向き合うか?
6時間目 自分自身の「宿題」をやろう

■本の概要(出版社の紹介文より)
交渉は、若者が世の中を動かすための必須スキル 本書は、私がいま、京都大学で二十歳前後の学生に教えている「交渉の授業」を一冊に凝縮したものです。いくら自分の力で決断できるようになっても、いくら高い能力や志を持っていても、世の中を動かすためには自分一人の力ではとても足りません。共に戦う「仲間」を探し出し、連携して、大きな流れを生み出していかなければならない。そこで必要となるのが、相手と自分、お互いの利害を分析し、調整することで合意を目指す交渉の考え方です。交渉とは、単なるビジネススキルではありません。ときには敵対する相手とも手を組み、共通の目的のために具体的なアクションを起こしていく――そのための思考法なのです。さあ、「交渉思考」を手に、この閉塞した日本の状況を一緒に変えていきましょう。

■ポイント
1.私の授業では「正解」は教えない

知識や情報の確認テストでいくら良い点数をとっても、いまの時代にはほとんど無意味でしょう。(中略)「誰でもできること」に価値はありません。そして、「誰でもできること」しかできない人材は、いまの時代、確実に買い叩かれる運命にあります。だから、思考力や洞察力、想像力を育むかたちに大学教育も変えていかなければなりません。若手教員のあいだで双方向の授業への流れが生まれているのは、時代の変化を反映させてのことなのです。(p.16)

マイケルサンデル教授の番組や書籍などの影響もあって、若い世代の先生たちの授業から変革がはじまっているようですね。問題は老害で大学にしがみついている教授陣か。まぁ、私立とか国立の一部でも積極的に変革を行っている方々がいることも確かですが、もっと大きく変わっていかないといけないんでしょうね。昔ながらのことをただ繰り返しているだけの授業ではいい学生は集まらないし、記憶(想い出)に残るような授業にはダメですよね。

2.How can you make money?

本当にお金を集めたいのであれば、ロマンだけではダメです。その商品なりサービスを誰が買って、いくら儲かるか、ということもちゃんと説明できなければなりません。「面白いことをやっていれば、お金はあとからついてくる」というセリフをよく聞きますが、そう考える人は、自分自身のロマンばかりに目がいって、他人のソロバンをケイししています。(p.92)

まぁ、夢を語って業績もうまくいっている方々は、財務担当のしっかりした参謀もいるんだろうし、そういう成功事例は成功事例であって、タイミングや偶然の要素も含まれているもの。ただ、夢を追っていれば、そのうちといった感じで、ダラダラと失敗事例を繰り返しているような会社はちょっと危険ですよね。

3.口だけの賞賛は必ずバレる

交渉相手の趣味嗜好などを把握しておいて、それを満たしてあげることで「この人は自分のことを重要だと思ってくれている」と印象づけることができます。少しいやらしいテクニックに聞こえてしまうかもしれませんが、どうしても交渉を前に進めたいときには、とても有効な手法でしょう。(p.269)

メールの文面や電話だとわかりづらくても、直接会って話していると、会話の反応や表情などでバレますからね。ソーシャルメディア時代で、どんどん直接会うといったコミュニケーションは少なくなりつつありますが、勝負をかけるときには、面会に行くくらいの気持ちでコトを運ばなければダメですよね。

■感想
本書内にも記されていますが、著者が京都大学で行っている交渉術の授業を1冊にまとめたもの。大学生や若い世代の人にとって価値ある内容をわかりやすくまとめられているといった印象を受けました。また、(交渉術がテーマということもあり?)練習問題なども用意されてあり、一方的に著者の理論を読み進めるのではなく、制限時間で自分の答えを導き出して、それで読み進めるといった形での展開も用意されていて、(いい意味で)授業を受けているといった印象も受けました。また、アップルやスタンフォード大学、その他の今まで知らなかったような小ネタも随所に散りばめられていて、さまざまな知見を得ることができました。

■余談
星海社での同著者の第2弾、この感じだと第3弾とか続編も出版されるんでしょうかね??

■関連情報
『僕は君たちに武器を配りたい』の瀧本哲史さんに聞く(前編)


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