【書評】コンセプトのつくりかた(玉樹真一郎)

コンセプトのつくりかた

コンセプトのつくりかた
玉樹 真一郎
ダイヤモンド社
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■目次
第1部 おりていく コンセプトとは何か
01 霧の中から コンセプトとものづくり
02 勇者の登場 コンセプトのコンセプト
03 冒険の仲間 ものづくりのステップ
04 旗を掲げる コンセプトのかたち
05 悪魔のささやき 「良い」ということ
06 翼を授かる ビジョン
07 始まりの約束 アイテム
08 何を以て何を成すか コンセプト

第2部 のぼっていく コンセプトをつくる具体的なプロセス
09 産声は泣き声 悪口から「すきになる」
10 いたずら者の知恵 ズラして「かわる」
コラム1 勇者のための「ズラす」9つの質問集
11 星座を見つける まとめて「わかる」
12 語り継がれるもの 「できる」のための物語化
13 影との戦い コンセプトの完成
コラム2 孤独の試練 コンセプトワークが失敗したら

第3部 すすんでいく コンセプトをどう活用するか
14 願いを込めて コンセプトから仕様へ
15 そして勇者は コンセプトの宿命

■本の概要(出版社の紹介文より)
世界販売台数9500万台!元任天堂Wiiの若手企画開発メンバーによる、コンセプトの定義と作り方。ものづくり現場の人はもちろん、企画、起業、イベント、起業、NPO、就活等、何かを始める時に誰もが最初に考えること=コンセプトワークについて、手描きイラストと冒険物語形式でわかりやすく伝える。

■ポイント
1.冒険の仲間

遊び人の願いは、シンプルにまとめると次の2点に集約されます。
・しあわせになりたい、したくないことはしたくない
・死にたくない、お金がほしい
これらの願いは決してバカにできるののではありません。勇者である「コンセプトワークするあなた」がどれだけ高尚で素晴らしいコンセプトを披露しても、あなたの内に潜む遊び人が同意しなければ、冒険はいずれストップしてしまうからです。(p.36)

ドラゴンクエスト3の遊び人を例に、いかに勇者が「世界を救わなきゃ!」と躍起になっても、戦士や僧侶、魔法使いは言うことを聞いてくれても遊び人は空気を読まずに踊ったりしてしまう……そんな例として書かれていました。一見素晴らしいコンセプトを掲げたとしても、それを実行する仲間の存在は不可欠だし、うまく伝えていく、実効性のあるものへとしていくことが大切ですよね。

2.うちのおばあちゃんにも楽しめるゲームを作りたい

否定されやすいビジョンは、きっと他の誰かが何度も否定してきたビジョンだといえます。既知の良さにもとづく画一的で保守的な考え方によって私たちが知り得なかった未知の良さが、こっそりとビジョンの中に眠っているかもしれません。つまり、否定されやすいビジョンほど、未知の価値に近づいているんです。(p.70)

集合知としてダメだと認識されていることで、このタイミング、この製品にはプラスの価値観となるとったことがありますよね。そういった意味で、固定観念に縛られずに、ビジョンの成否をきちんと分析できるだけの判断力や創造性を大切にしつつ、仲間とうまくコミュニケーションをとって議論して、よりよいものを生み出して行きたいですよね。

3.ユーザーは、必ず作り手の想像を超える

どれだけ成功しようが失敗しようが、過去のコンセプトを超えていこうとする態度こそが、コンセプトワーカーには求められています。(中略)ユーザーが喜び熱狂し、さらには熱狂の輪が大きくなれば大きくなるほど、コンセプトによって実現された「未知の良さ」が急速に「既知の良さ」へと変換・消費されているということを意味します。(p.301)

ジョブズ氏を例に挙げられていますが、まさにその通りで、最初にはサプライズでも2回目には前回そういうことがあった的は反応しか生まれない、それを超えるサプライズを毎回繰り返してどんどん高いハードルを乗り越えていかないと、相手は満足してくれない。製品のコンセプトなどでも同様で、そういう製品を生み出し続けられる企業は数少なく、過去の成功体験で満足してしまうと、途端に価格競争に苦しむ下請け企業へと転落してしまう。難しいことですが、過去の成功体験が通用する期間は以前にも増して短くなっているので、どんどん新しいことにチャレンジしていかないといけないなぁ~と。

■感想
元任天堂の社員らしく、目次なども含め、内容面では、コンセプトという伝えづらいテーマをゲームのネタを織り交ぜつつ、実例を交えながらやさしく解説されているといった印象を受けました。なんとなくですが、著者の言いたいことはわかったかな?と。まぁ、あくまでも手法の紹介なので、それをいかに自身のプロジェクトなり、コンセプトに落とし込んで実行していくか、という実践については、これからという形なので、ここで得た考え方を大切にしつつ、うまく実践していかないと……と思いました。

■余談
著者は任天堂でWiiの開発を行っていた人物。同社の社長が訊くにも従業員時代の会話が残っていますね。書籍の著者プロフィールによると、WiiのエバンジェリストとしてWiiのプレゼンを最も多くした人と呼ばれているとのこと。任天堂は2010年に退職後は青森にUターンして独立、起業されたとのこと。

■関連情報
玉樹真一郎 – プラットフォームあおもり
わかる事務所
社長が訊く Wii プロジェクト – Vol.3 Wii チャンネル編
『コンセプトのつくりかた』無料ビデオ講座・公開のお知らせ


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