【書評】決定版・ゲームの神様 横井軍平のことば ものづくりのイノベーション「枯れた技術の水平思考」とは何か?(横井軍平)

決定版・ゲームの神様 横井軍平のことば ものづくりのイノベーション「枯れた技術の水平思考」とは何か?

決定版・ゲームの神様 横井軍平のことば ものづくりのイノベーション「枯れた技術の水平思考」とは何か? (P-Vine Books)

■目次
軍平語録
序文 いま横井軍平が必要だ(草なぎ洋平(東京ピストル))/人間の本能がゲームの原点
第1章 横井軍平の「ものづくり」
第2章 “バーチャルボーイ”とは何だったのか
第3章 偉大なる「すきま産業」
特別付録 横井軍平関連資料集

■本の概要(出版社の紹介文より)
伝説の任天堂開発者本人によって語られた開発哲学「枯れた技術の水平思考」がついに、全貌を顕す。

■ポイント
1.次も次も新しい商品であること

先ほども言ったが、Aという商品が大ヒットすると、ワーッとその商品の偽物が沢山出回りますから、私はA’とバージョンアップして戦おうという気は毛頭ないです。それはもう捨てる。そこで戦っていたのでは、絶対シェア争いになって美味しい話が美味しい話ではなくなりますから。全部捨てて、全く新しいBという商品をつくって戦うこという感覚で、任天堂時代は、ものをつくっていました。(p.48)

結局A’を作ると価格競争になってしまう……。サムスンのGalaxyや昨日のガイアの夜明けで放送されていた消しポンなどの例からもわかる通り、ヒット商品は劣化コピーが出回って、価格競争になる。特許を押さえておくことも大切ですが、次から次へと新しいアイディアで勝負できるような風潮があると、世の中もっと楽しくなるかな?と思いました。

2.面白さにカラーは必要ない

はっきり言ってファミコン時代、いわば8ビットは、おばちゃんからおじいちゃん、子供までみんなが楽しめたゲームなんですよ。それが、だんだん難しくなってマニア化していって16ビットになり、32ビットになって。私にだって遊べないですよ、あの確答ゲームは。どう操作していいのかわからない。そういう形でマニア化していってるんですよね。そうすると以前100いたユーザーが、恐らく50になってしまった。ただ、50の人間が以前の3倍くらいお金を使っているから、なんとなく市場は広がっているように感じられるけど、絶対人口は少なくなっているはずです。(p.77)

最近またマニュアルについては見直されてきて、3DSなどのマニュアルは紙1枚しか入っていないような状況ですよね。ケータイの世界でもガラパゴス携帯が分厚いマニュアルがあるのに対して、iPhoneなどは、最低限のものしか入っていない。直感的に操作できるように工夫されていますからね。確かに、PS3などで出ているゲームでは、かなり複雑になっているし、DSで広げた市場は、みんなソーシャルゲームに流れていってしまっているような印象を受けますよね。

3.売れる商品を生む「枯れた技術」と「水平思考」

私のものの考え方というのは、このタイトルにもなっている「技術というものは最先端を使うべきではない」ということです。「儲かる商品づくりには最先端はかえってマイナスになる」。そして「さんざん使いこなれて、枯れてきた技術を、水平思考、つまりまるっきり違う目的に使うことによって、ヒット商品というものは生まれ出るのではないか」。(p.144)

この本で著者がいいたいこと。アップルがまさにこれを実践していますよね。

■感想
本書を読んでいると、まさにジョブズ時代のアップルがやっていたことと一緒では?という結論に至るような印象を受けます。任天堂はファミコン時代にそれを実現して、世界企業へと躍進したわけだし、WiiやDSでも当時ゲーム機の高機能争いから脱却して、独自色を出していたハズなのに……。その他の企業についても同様のことが言えるのでは?と考え直させられる1冊。本来、日本はこういうことが得意だったハズなのに、いつの間にか、違った方向性をもってしまったのか? はたまた現在のLINEなどを見ていると、うまくこの技法が取り入れられているような印象も受けますが……。ものづくりについて、根本的にどういう風に考えて行けばいいのか?について、いろいろな角度から学べる内容になっていると思いました。

■余談
巻末に一覧がありますが、横井さんのさまざまな著作(雑誌、書籍、講演)などをまとめて書籍化したものとのこと。元任天堂の方で、ゲームウォッチやゲームボーイ、その他さまざまなオリジナル製品の開発に携わった方。

■関連情報
横井軍平 – Wikipedia
任天堂


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