【書評】あきらめない 働くあなたに贈る真実のメッセージ(村木厚子)

あきらめない 働くあなたに贈る真実のメッセージ

あきらめない 働くあなたに贈る真実のメッセージ (日経WOMANの本)

■目次
第一章 「あきらめない心」の原点
第二章 仕事の軸が見えてきた
第三章 逮捕、勾留を支えたものは
第四章 釈放・復職、そして今後のこと

■本の概要(出版社の紹介文より)
「働く女性の希望の星」から一転、逮捕・164日間の勾留――極限状態の中、決して屈しなかったのはなぜか。 「どんなに悪いことがあってもあきらめない。人生に何があってもリカバリーできる」「郵便不正事件」で無実の罪に問われ、逮捕、164日間の勾留をされながら、耐え抜いて、無罪を獲得した、その「あきらめない心」の秘密を、本人が明かした初の著書。

■ポイント
1.人生はどこかで修正できる

今すぐに解決できなくても、あきらめないでいると、どこかの時点で修正できることは案外多いと思います。もちろん、一発で解決できればそれに越したことはない。でも、負けてしまうことがあっても、機会を見ながら少しずつ壁をこじ開けていけば、チャンスは、意外と何度も巡ってくる。(p.36)

あきらめないきっかけの最初の糸口はお茶くみからだったとのこと。決まり切った組織の慣行を変革することが難しいなか、いろいろ試行錯誤しながら、少しずつ変革していく最初のエピソードですね。機会をうかがっていないと、せっかく訪れたチャンスに気づかないで見過ごしてしまうということもあるかと思うので、本当に変革したいことについては、継続してチャレンジすることが大切ですよね。

2.階段を1段上がれば見える景色は変わる

力がついたから昇進するのではなく、昇進したから力がつく、ということなのかもしれません。下の段から背伸びしても見えなかったことが、階段を上がれば簡単に見えるようになる。だから、私は昇進はどんどん受けていいと思うのです。それが、本人のためにもなるのですから。(p.106)

これはビジネスでもよく言われることですね。立場が人を創る的な……。特に、女性の場合は、なかなか受け入れられないケースもあるかと思うし、当時なら尚更のこと。さらに、年上の男性部下をもった経験なども書かれているので、女性には参考になることも多いかな?と。男性でも、今では、年上の部下、年下の上司というのも珍しくなくなっていますからね。

3.「今、何ができるか」だけを考える

今できること、その次の段階で手が打てること、もっと後でしかできないことに分けると、実は、今この瞬間にできることはそんなに多くないことが分かるんです。それにただちに手をつけてみる。できることをやり始めると、不思議と気持ちは落ち着きます。少しずつ前進している、やれることはやったと思えるからかもしれません。(p.207)

いろいろやらなければならないこと、やりたいことはたくさんある現在、少しずつでも進めてみれば……というような前向きな気持ちは大切ですよね。

■感想
女性が働くことが珍しかった時代に、少ない働き口として採用試験を受けた国家公務員試験に合格。さまざまな苦労とともに生きてきた著者の人生を振り返りつつ、普通の女性が普通に子育てしながら働くを夢見て、また、そのロールモデルとなればと生きてきた矢先の逮捕、裁判、無罪という流れがわかりやすく本人の文章で綴られていました。文章がうまいとほめられた(p.66)とあるように、文章自体も読みやすいし、感情や想いもこめられているので、なおさら良かったです。また、厚労省畑の方なので、労働問題にも造詣が深く、制度的な話も散りばめられていました。また、巻末には、夫、長女、次女という家族の方の想いなどのページもあり、それぞれの視点で事件について綴られていました。

■余談
裁判で無罪を勝ち取った村木さん、現在は内閣府政策統括官として職場復帰されているようです。また、裁判において国から約3700万円の賠償金を得たそうなのですが、「お金をもらうのは本意ではない」として弁護士費用を除いた全額を寄付しされたそうです。

■関連情報
障害者郵便割引不正:無罪確定の村木さん、賠償全額寄付 「累犯」障害者支援、長崎の社福法人へ


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